会員からの伝言板

短期連載エッセー~1枚のレコードより~

投稿者:千勝泰生(医20・昭47卒)
投稿日:2025年3月25日

カルロ・マリア・ジュリーニのフォーレ『レクイエム』 

レコード会社に転職して良かったことの第一番目は、やはり名曲・名演奏・名録音との数多い出会いです。特に名録音との出会いは、恋のようなもので、一生を共にしてくれるので、本当にありがたいと思います。勿論、レコード会社に勤めなくても、そうした出会いは可能なわけですが、私の場合、趣味として聴いていた時とは、出会う世界の広さと、聴く姿勢とが決定的に変わりました。(~中略~)

「リベラ・メ(我を許し給え)」のシュミットの歌唱は素晴らしく、バトルの「ピエ・イエズス(ああ、イエスよ)」は、まさしく天上の声でした。オーケストラと合唱団の表現も、ジュリーニの指揮によく従って、非常に繊細なものになっています。

この録音が素晴らしいものになったのは、私にとっては二重の喜びでした。当時、驚いたことにDGのカタログには、フォーレの『レクイエム』がなく、私が録音を要望していたのです。私が録音を提案したことは多くはなく、まして実現したのは数曲に過ぎませんが、このレクイエムは、私のクリーン・ヒットとなりました。

短期連載エッセー⇒ 会報誌2025/4/30発行より紹介します、皆様是非ご覧ください。

元ドイツ・グラモフォン社勤務 千勝泰生(医20・昭47卒)